湯けむりと はっきり映える オリオン座 かがんで座る 父の背と

この週末、父親と長野へ旅行に行ってきました。
今年の春に実家でリンゴの木のオーナーになって、
その実がなったと言う事で収穫しに。

母親と弟は都合がつかず、俺が行く事に。

土曜日の7時に実家最寄り駅で集合。
相模湖まで下道で行って、
そこから中央道、長野道を経て木曽駒ヶ岳へ。

父親は数年前まで長野で単身赴任していたんですが、
その時に駒ヶ岳は行った方が良いと言われていたのに、
結局いけなかったから、今回行きたいと。

バスとロープウェイをのりついで、頂上付近まで。
八ヶ岳のむこうから顔を出す富士山が綺麗でした。

その後は、少し北上して穂高温泉で一泊。
日曜日は朝からりんご園まで行って、
がっつりリンゴ狩り。
思ったより早く終わって、昼前には長野を出て
山梨の知り合いのやっているそば屋で昼を食べて、
早めに帰ってきました。


父親と二人で旅なんて滅多にない。
そして、俺、この夏にカミングアウトをしたんです。
その後、初の顔合わせで二人旅。
これは何か言われるだろうとビクビクしてました。

が、結果から言うとそんなのは取り越し苦労。
駒ヶ岳の縁結び地蔵では
「お前も手を合わせておけば?」と言われ
微妙な空気になったものの
それくらいなもんでした。

自分的にはカミングアウトの事もそうだけど、
最近の仕事の悩みや、ネガティブ思考なこと、
色々話さなきゃいけないな、
いや、話したいなと思っていたんですが
いざ二人だけになるとなかなかできず。

父親も何か話したそうではあったけど、
これと言って話題を振られる事はなく。
少し仕事の話はしたけれど、
カミングアウトの話は出ませんでした。

でも、この微妙な距離感がむずがゆくも心地よく感じました。

あんなに嫌いだった父親と、
まさか二人で旅行に行くなんて。
「これは飲みやすい」なんて言いながら
白ワインを一緒に飲むなんて。
二人で露天風呂につかるなんて。
高校生の頃は想像もつかなかったなぁ。

もう親もそんなに若くない。
今までしてこなかった分、
できるだけ親孝行しようと思ったのでした。

「今林檎の仕分けを終わり夕飯です。
 疲れたけど俺も 楽しかった又 ご一緒しましょう」

これはさっき父親から送られてきたメール。
「ご一緒しましょう」って…
なぜそんなに丁寧なんだかわかりませんが、
グッと来ました。
4487796970おやじのせなか
朝日新聞社会部
東京書籍 2001-08

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